免許証をよく見ると「中型」と書いてあるけれど、普通免許との違いや、どこまでのトラックやバスを運転していいのか、はっきり分からずモヤモヤしていませんか。
中型免許や中型8t限定、準中型免許、大型免許などの区分は、車両総重量や最大積載量、乗車定員の条件が細かく決められていて、4tトラックやマイクロバス、送迎バスなどでは、とくに勘違いが起きやすいところです。
この記事では、「免許証 中型と書いてある」と表示されている人に向けて、運転できる車のサイズや範囲の考え方、8t限定解除のポイント、仕事で中型免許を活かすときの注意点まで、やさしく整理してお伝えします。安全に、そして安心して運転できるよう一緒に確認していきましょう。
- 免許証に「中型」と書いてある表示が具体的に何を意味するのか
- 中型免許・中型8t限定・準中型・普通・大型の違いと境目
- 自分の免許で運転できる車のサイズや乗車定員を車検証から確認する方法
- マイクロバスや4tトラックなどグレーになりやすい車の運転可否の考え方
- 8t限定解除や中型二種取得、仕事で中型免許を活かすときの基本ポイント
免許証 中型と書いてあるときの意味

その表記が示す免許区分とは
免許証の「中型」という文字は、ある条件のトラックやバスまで運転できる区分を持っているという印です。
中型免許で運転できる中型自動車は、ざっくりいうと「普通車より大きく、大型車より小さいトラック・バス」です。法律上は、車両総重量7.5トン以上11トン未満・最大積載量4.5トン以上6.5トン未満・乗車定員11〜29人以下が目安とされています。
免許証の見た目としては、表面の「免許の種類」の欄に
- 中型…太字で印字され、取得日が入っている
- その下に「中型車は中型車(8t)に限る」などの条件付きの文言が入る場合もある
といった形が多いです。これは、「中型免許そのもの」か「中型8t限定(旧普通免許が切り替わったもの)」かを示しています。
ただし、免許証のデザインや表記方法は都道府県や改正時期で細かな差があります。
「自分の免許でどこまで運転できるのか心配…」という場合は、最寄りの免許センターや警察署の運転免許窓口で確認するのが一番安心です。(警察庁)
表記がない普通免許との見分け方
普通免許だけの人の免許証には、「普通」には取得日が入り、「中型」の欄は横線だけで空欄になっていることが多いです。一方で、「中型」と書いてある人は、
- 「中型」の欄にも日付が入っている
- 備考欄に「中型車は中型車(8t)に限る」などの文言がある場合がある
といった違いがあります。
運転できる車の範囲にも、次のような差があります(現在の制度の場合)。
- 普通免許
- 車両総重量:3.5トン未満
- 最大積載量:2トン未満
- 乗車定員:10人以下
- 中型免許(限定なし)
- 車両総重量:11トン未満
- 最大積載量:6.5トン未満
- 乗車定員:29人以下
見分けのポイントは、
- 免許証の「中型」欄に取得日があるか
- 備考欄に「8tに限る」などの条件が書かれていないか
の2つです。ここを確認すると、自分が「普通だけ」なのか、「中型(または中型8t限定)」なのかがだいぶ分かりやすくなります。最終的に迷ったときは、車検証の「車両総重量・最大積載量・乗車定員」と、保有免許の区分を一緒に確認すると安全です。(警察庁)
法改正で表記が変わった背景
「免許を普通で取ったはずなのに、いつの間にか免許証に“中型”と書いてある…」という方も多いです。これは、道路交通法の改正で免許区分が増えたため、表記が自動的に切り替わったことが背景にあります。
主な流れは次のとおりです。
- 2007年(平成19年)
- 貨物事故を減らす目的で、「中型自動車」と「中型免許」が新設される
- それ以前に普通免許を持っていた人は、手続き不要で「中型8t限定」に読み替えられ、「中型車は中型車(8t)に限る」といった表記が付くようになる(全日本トラック協会)
- 2017年(平成29年)
- 若い人でも小さめのトラックに乗れるようにするため、「準中型自動車・準中型免許」が新設される
- これに合わせて、普通免許で運転できる車両総重量が3.5トン未満へと見直される(警視庁)
このように、事故防止と仕事のニーズの両方を考えた結果、免許の区分が細かく増えていき、そのたびに表記ルールも変わってきたという経緯があります。
そのため、
- いつ免許を取ったか
- 表記が「中型」なのか「準中型」なのか
- 「8tに限る」などの限定があるか
によって、運転できる車の範囲が少しずつ違います。安全のためにも、あいまいなまま運転せず、公式サイトや免許センターで最新情報を確認する習慣をつけておくと安心です。
中型免許で運転できる車のサイズ
車両総重量と最大積載量の目安
中型免許で運転できる車は、普通車よりひと回り大きいトラック・バスだとイメージするとわかりやすいです。法律上の目安は次のとおりです。(全日本トラック協会)
- 車両総重量:7.5トン以上11トン未満
- 最大積載量:4.5トン以上6.5トン未満
- 乗車定員:11人以上29人以下
ここでいう車両総重量は、「車本体+荷物+乗っている人を全部足した重さ」です。最大積載量は、「その車が安全に運べる荷物の量の上限」です。数字だけ見ると難しく感じますが、だいたい2〜4トンクラスよりも大きめのトラックや、中型の観光バス・路線バス手前のサイズがイメージしやすいと思います。
大事なのは、
- 免許証の種類だけで決めつけない
- 車検証の「車両総重量」「最大積載量」の欄を必ず確認する
という2点です。基準は法改正で変わる可能性もあるので、心配なときは警察庁や都道府県警の公式サイト、免許センターで最新情報を確認してから運転するようにしましょう。(警視庁)
乗車定員から見たバスやワゴンの範囲
中型免許で大きく変わるのが「何人乗れる車まで運転できるか」というポイントです。中型免許(限定なし)の場合、乗車定員の目安は次のようになります。(全日本トラック協会)
- 普通免許:乗車定員10人以下
- 中型免許:乗車定員11人以上29人以下
- 大型免許:乗車定員30人以上
このため、
- 10人乗りまでのワゴン車・送迎車:普通免許でもOKの範囲
- マイクロバスなど11〜29人乗りの小型バス:中型免許が必要
- 観光バスなど30人以上乗り:大型免許が必要
というイメージになります。
同じ「バス」でも、
- 見た目が小さいからといって普通免許で運転できるとは限らない
- 「何人乗りなのか」が免許区分を決める大きなポイント
という点がとても大事です。
実際に運転するときは、
- 車検証の「乗車定員」欄
- レンタカーや会社の車なら、貸し出し元の説明や表示
を必ずチェックしてください。あいまいなまま運転すると、無免許運転とみなされる可能性もあるため、少しでも不安があれば警察や免許センターなどの公的機関に相談した方が安心です。(警視庁)
ハイエースや4tトラックは運転できる?
「ハイエース」や「4tトラック」は、免許の境目になりやすい代表例です。ただし、グレードや仕様によって必要な免許が変わるので、必ず車検証の数値で判断する必要があります。
ハイエースの例(一般的な目安)
- 3〜10人乗りのハイエースバン・ワゴン
- 多くは普通免許や準中型免許の範囲で運転できる
- 14人乗りなどのハイエースコミューター
- 乗車定員が11人以上になるため、中型免許(8t限定解除)以上が必要になるケースがある
4tトラックの例(一般的な目安)(いすゞ自動車)
- 「4tトラック」と呼ばれていても、
- 車両総重量が7.5トン未満 → 準中型免許の範囲のこともある
- 車両総重量が7.5トン以上11トン未満 → 中型免許が必要な中型トラックになる
このように、車の通称ではなく、車検証に書かれた「車両総重量・最大積載量・乗車定員」で判断することがとても重要です。
不安なときは、
- レンタカー会社やディーラーに「自分の免許で運転できるか」を確認する
- 警察庁・都道府県警の免許案内ページで、最新の免許区分をチェックする
といったステップを踏むと安全です。特に仕事で使う場合は、会社側の管理者とも必ず確認してから運転するようにしてください。(警視庁)
※法律や基準は将来変更される可能性があります。最終的な判断は、必ず最新の公式情報や管轄の警察・免許センターでご確認ください。
中型8t限定と中型免許の違い
8t限定中型免許とはどんな免許?
「中型8t限定」は、2007年(平成19年)6月1日より前に普通免許を取った人に自動で付いた“特別な区分”です。免許証の備考欄に「中型車は中型車(8t)に限る」と書かれているのが目印ですね。
この免許で運転できる条件は、おおまかにいうと
- 車両総重量:8トン未満
- 最大積載量:5トン未満
- 乗車定員:10人以下
におさまる車です。
ポイントをまとめると
- 見た目は「中型」と書いてあるけれど、運転できるのは“旧・普通免許の上限+少し広いくらい”
- 11人以上乗れるバスや、重い中型トラックは基本的に運転できない
- 本格的な中型トラックやマイクロバスに乗りたい場合は、「8t限定解除」で通常の中型免許へステップアップが必要
という位置づけです。表記だけ見るとややこしいですが、「昔の普通免許を、今のルールに合わせて言い換えたもの」とイメージするとわかりやすいですよ。(国土交通省ターボサイト)
8t限定で乗れる車・乗れない車
8t限定中型免許で運転できるのは、そこまで大型ではないトラックやバンタイプの車が中心です。条件は
- 車両総重量:8トン未満
- 最大積載量:5トン未満
- 乗車定員:10人以下
という3つをすべて満たす車だけ、というイメージです。
たとえば、次のような車が代表例です。
- 2トン・3トンクラスのトラックの一部
- 乗車定員10人以下のワゴン・バン
- 小さめの平ボディトラック など
反対に、8t限定では運転できない車のイメージは
- 車両総重量が8トン以上ある4tトラック
- 乗車定員が11人以上のマイクロバス・送迎バス
- 最大積載量が5トンを超える本格的な中型トラック
などです。
大事なのは、
- 通称(「4tトラック」など)ではなく、車検証の数値で判断すること
- 少しでも迷ったら、会社・レンタカー店・免許センターなどに必ず確認すること
です。免許の範囲を超えて運転すると無免許運転と見なされるおそれがあるため、自己判断でギリギリを攻めないことが何より安全です。(警察庁)
限定なし中型免許との境界を整理
「8t限定」と「限定なしの中型免許」の一番大きな違いは、運転できる車の“大きさと人数”の幅です。
まず、法律上の中型自動車の範囲は
- 車両総重量:7.5トン以上11トン未満
- 最大積載量:4.5トン以上6.5トン未満
- 乗車定員:11人以上29人未満
となっています。(全日本トラック協会)
これを踏まえて整理すると
- 8t限定中型免許
- 車両総重量8トン未満/最大積載量5トン未満/乗車定員10人以下まで
- マイクロバスや多くの4tトラックは範囲外になりやすい
- 限定なし中型免許
- 車両総重量11トン未満/最大積載量6.5トン未満/乗車定員29人以下まで
- マイクロバスや本格的な4tトラックも運転できる範囲が広がる
という関係になります。
境界のイメージとしては、
- 乗車定員が11人以上のマイクロバス
- 重さが大きめの4tトラック
このあたりから先は、8t限定では足りず「中型免許(限定なし)」が必要になってくる、という感覚で考えるとわかりやすいです。
なお、限定解除の条件や手続きは、警視庁などの公式ページでくわしく案内されていますので、実際にステップアップを考えるときは必ず最新の公式情報を確認してくださいね。(警視庁)
公式系の参考リンク(最新情報の確認用)
- 警察庁「運転免許」トップページ(免許区分の案内)(警察庁)
- 警視庁「準中型自動車・準中型免許の新設について」(警視庁)
- 全日本トラック協会「車種区分(自動車の種類)」(全日本トラック協会)
- 警視庁「中型免許限定解除審査」ページ(8t限定解除の公式案内)(警視庁)
※法律・基準は今後変わる可能性があります。最終的な判断や詳細は、必ず最新の公式情報や、お住まいの都道府県の免許センター・警察にご確認ください。
準中型・普通・大型との違いは?

普通免許との運転できる範囲の差
中型免許は、「普通免許では足りないけれど、大型まではいらない」人向けの免許です。重さや人数の上限が大きく違います。
まず、今の制度(2017年3月12日以降)での目安は下の通りです。(警視庁)
- 普通免許で運転できる車
- 車両総重量:3.5トン未満
- 最大積載量:2トン未満
- 乗車定員:10人以下
- 中型免許で運転できる車(限定なし)
- 車両総重量:7.5トン以上11トン未満
- 最大積載量:4.5トン以上6.5トン未満
- 乗車定員:11〜29人以下
つまり、「人をたくさん乗せるバス」や「4トン前後の中型トラック」などは、普通免許では不可で、中型免許が必要になるイメージです。
ポイントをまとめると…
- 普通免許:10人乗りまで+小さめのトラック向け
- 中型免許:11〜29人乗りのバスや、4tクラスの中型トラック向け
- 境目は「重さ(車両総重量・最大積載量)」と「乗車定員が10人を超えるかどうか」
なお、あなたの免許が古い場合、「準中型5t限定」や「8t限定」などに読み替えられていることもあります。心配なときは、警察庁・警視庁の公式ページや免許センターで最新情報を確認してから運転すると安心です。(警視庁)
準中型免許との境目になるポイント
準中型免許は、普通と中型のちょうど中間にある免許です。若い人でも小さめのトラックに乗れるようにするため、2017年に新しく作られました。
おおまかな範囲は次の通りです。
- 準中型免許
- 車両総重量:3.5トン以上7.5トン未満
- 最大積載量:2トン以上4.5トン未満
- 乗車定員:10人以下
- 中型免許(限定なし)
- 車両総重量:7.5トン以上11トン未満
- 最大積載量:4.5トン以上6.5トン未満
- 乗車定員:11〜29人以下
準中型と中型の「境目」になるポイントは、
- 車両総重量が7.5トンを超えるかどうか
- 最大積載量が4.5トンを超えるかどうか
- 乗車定員が11人以上かどうか
です。
たとえば、
- 2t・3tトラック → 多くは準中型でOK
- 4tトラック → 重さによっては中型免許が必要になるケースが多い
- マイクロバス(11人以上乗れる小型バス)→ 中型免許が必要
というイメージです。
通称よりも、車検証の数値で判断することがとても大切です。同じ「4tトラック」でも、仕様で必要な免許が変わることがありますので、必ず最新の区分を公式サイトでチェックしてくださいね。(国土交通省ターボサイト)
大型免許との違いとステップアップ
大型免許は、一番大きなトラックや観光バスを運転するための免許です。中型との違いは「運転できる車の大きさ」と「取得条件の重さ」にあります。
まず、トラックの範囲の目安は…
- 中型免許
- 車両総重量:7.5トン以上11トン未満
- 最大積載量:4.5トン以上6.5トン未満
- 乗車定員:29人以下
- 大型免許
- 車両総重量:11トン以上
- 最大積載量:6.5トン以上
- 乗車定員:30人以上
「大型トラック」「大型観光バス」など、本当に大きな車を運転するには大型免許が必要になります。(ウィキペディア)
取得のステップイメージは、
- 普通免許を取る(18歳〜)
- トラックに乗りたいなら準中型免許を追加
- さらに大きなトラック・バスに乗りたい場合は中型免許
- そこから先、本格的に運送・観光バスなどを目指すなら大型免許へステップアップ
という流れが一般的です。
大型免許は
- 年齢(原則21歳以上)
- 普通免許などの保有期間(通算3年以上)
といった条件もあるため、計画的にキャリアや働き方とセットで考えることが大切です。
なお、この記事はあくまで概要なので、実際に取得を検討するときは、警察庁・警視庁・お住まいの都道府県警の免許案内ページや指定自動車教習所の公式サイトで、最新情報を必ず確認してくださいね。(警視庁)
免許証 中型と書いてある人が注意すること
車検証で必ず確認したいポイント
免許証に「中型」と書いてあっても、どの車でもOKというわけではありません。実際に運転していいかどうかは、車検証の数字とあなたの免許区分が合っているかで決まります。必ず次の項目をチェックしてください。(法令データ提供システム)
- 車両総重量
- 最大積載量(トラックなど荷物用の車)
- 乗車定員
- 用途(乗用・貨物など)
中型免許・中型8t限定・準中型・普通免許などによって、運転できる範囲が違います。車検証の数字が、自分の免許で認められている上限を超えていないかを必ず確認してください。
とくに注意したいのは、
- 会社のトラックを新車・増トン車に入れ替えたとき
- レンタカーや知人の車を「いつもと同じ感覚」で借りるとき
- 乗車定員が多いワゴンやマイクロバスに乗るとき
です。
見た目が似ていても、グレードや仕様が変わると必要な免許も変わることがあります。少しでも不安なときは、会社の安全担当者やディーラー、免許センターに確認してから運転すると安心です。
過積載や定員オーバーになりやすいケース
中型と書いてある人ほど、「これくらいなら大丈夫かな…」と荷物や人数を増やしてしまいがちです。でも、最大積載量や乗車定員は1kg・1人でも超えると違反になります。
過積載や定員オーバーになりやすいのは、たとえばこんな場面です。
- 引っ越しやイベントで、トラックやバンに荷物を山盛り積むとき
- 工事現場などで、砂利・土・資材を荷台のあおりより高く積んでしまうとき
- 部活の送迎や家族旅行で、子どもを含めてギュウギュウに乗せてしまうとき
どれも「ちょっとだけなら…」と思いがちですが、
- 最大積載量を1kgでも超えれば過積載
- 乗車定員を1人でも超えれば定員外乗車(定員オーバー)
となり、道路交通法や道路運送車両法に違反します。(法令データ提供システム)
また、過積載や定員オーバーは
- ブレーキが効きにくくなる
- ハンドル操作が不安定になる
- タイヤやサスペンションの負担が増え、重大事故のリスクが上がる
といった危険もあります。数字の上だけでなく、「安全に止まれるか」「ちゃんと曲がれるか」という感覚も大切にして、ムリな積載や人数で走らないようにしましょう。
違反になったときの罰則やリスク
過積載や定員オーバーは、「つい、うっかり」でも立派な交通違反です。警察庁や警視庁などの資料によると、過積載や乗車積載方法違反・定員外乗車違反には、違反点数や反則金が科されます。(警視庁)
たとえば一例として、
- 定員外乗車違反:
- 違反点数1点前後・反則金数千円(普通車で6,000円程度の例など)
- 過積載(貨物車):
- 超過の程度によって違反点数が増え、反則金も高額に
- 悪質な場合は、事業者や荷主も含めて刑事処分(懲役・罰金)や行政処分の対象になることもあります
さらにこわいのは、罰金だけで終わらない点です。
- ゴールド免許から外れてしまう
- 免停・取り消しのリスクが高まる
- 事故を起こした場合、民事訴訟で高額な賠償責任を負う可能性がある
とくに仕事でトラックやバスを運転している方は、会社の信用や自分の仕事にも直結します。
「中型って書いてあるから大丈夫」ではなく、
- 車検証の数字を必ず確認すること
- 少しでも迷ったら、会社・ディーラー・免許センター・警察など公式の窓口に相談すること
を習慣にしておくと、長く安心して運転を続けられますよ。
仕事で中型免許を活かしたいとき

中型免許が役立つ代表的な職種
中型免許は、「モノを運ぶ仕事」でものすごく需要が高い資格です。求人を見ていると、次のようなお仕事でよく必要とされています。
- 中型トラックドライバー(3t・4tトラック)
飲料・食品・建材・通販荷物などを、センターからお店や工場へ運ぶ仕事です。地場配送だけでなく、中距離配送の求人も多いです。 - ルート配送ドライバー
自動販売機の補充、コンビニ・スーパーへのルート配送など、決まったお客様を回るスタイルのお仕事です。 - 引っ越しドライバー
引っ越し会社で、家財を載せたトラックを運転する仕事です。体力は必要ですが、その分お給料が高めの求人も多いです。 - 送迎バス・企業送迎ドライバー
会社や工場の送迎バス、学校・塾の送迎などで、中型クラスのマイクロバスを使うケースがあります(※二種免許が必要ないケースもあります)。
このように、「中型免許=運送・配送・送迎の仕事の選択肢が一気に増える資格」と考えるとイメージしやすいです。実際の求人は、ハローワークインターネットサービスなどで「中型自動車免許 必須」と絞り込んでチェックすると、具体的な仕事内容や条件を比べやすいですよ。(ハローワーク)
履歴書への書き方とアピール方法
履歴書では、「資格・免許」欄に正式名称で書くことが基本です。たとえば次のような書き方がおすすめです。
- 中型自動車第一種運転免許(〇年〇月取得)
- 8t限定の場合:中型自動車第一種運転免許(中型車は中型車8tに限る)
- AT限定がある場合は、「AT限定」も明記しておくと親切です。
そのうえで、職務経歴や自己PRでは、免許そのものよりも「どんな運転経験があるか」をアピールすると伝わりやすいです。たとえば、
- 無事故・無違反の年数(事実だけを控えめに)
- 走ったエリア(「首都圏の地場配送に慣れている」など)
- 運転していた車種(3t・4tトラック、マイクロバスなど)
- 夜間・早朝・雪道など、対応できる時間帯・条件
などを具体的に書くと、採用側もイメージしやすくなります。
YMYLの観点からも、誇張表現やできないことを「できる」と書くのはNGです。事故や法令違反につながりかねないため、「事実ベースで丁寧に」がいちばんのアピールになります。求人サイト各社のコラムでも、運転免許は正しい区分と実務経験をセットで書くことが勧められています。
中型二種免許が必要になるケース
「人を乗せてお金をもらう仕事」をする場合は、第一種免許ではなく第二種免許(二種免許)が必要になります。道路交通法では、旅客自動車運送事業のためにバスやタクシーを運転する場合、車の種類に応じた二種免許を取らないといけないと定められています。(国土交通省)
中型二種免許が必要になる代表的なケースは、たとえば次のようなものです。
- マイクロバスで有料の送迎・観光を行う会社のドライバー
(乗車定員29人以下のバスで、お客様から運賃や料金を受け取る場合) - ホテル・空港のシャトルバスで、運賃を取る路線的な運行をする場合
- 自治体や事業者が運行する有料のコミュニティバス・スクールバス など
逆に、会社や学校が自社の従業員や児童・生徒だけを無料で送迎する社用バスなどは、一種免許でよいケースもあります。ただし、運行形態や契約内容によって判断が変わるため、グレーな場合は必ず、
- 事業者側(会社・学校)
- 所轄の運輸局(国土交通省)
- 免許センターや警察
に確認することが大切です。
なお、二種免許の受験資格(年齢や運転経験年数など)は、道路交通法改正により緩和されており、最新の条件は警察庁や国土交通省の公式資料で公開されています。中型二種を目指すときは、必ず最新の公式情報をチェックしてから計画を立ててくださいね。
マイクロバスや送迎車は運転できる?
マイクロバスを運転できる条件とは?
マイクロバスは、見た目はコンパクトでも「バス扱い」になる専用車両です。多くは運転手を含めて定員29人以下で、「マイクロバス」「小型バス」として販売されています。
運転に必要な免許は、だいたい次のどれかになります。
- 8t限定なし中型免許(中型一種)
- 8t限定なし中型二種免許
- 大型免許(大型一種)
- 大型二種免許
逆に、
- 普通免許
- 準中型免許
- 中型8t限定免許
だけでは、定員や区分の関係でマイクロバスは運転できないのが基本です。
また、マイクロバスは車両の大きさ・長さもあり、死角が多く内輪差も大きい車です。免許の条件を満たしていても、
- 教習所のペーパードライバー講習で一度練習する
- 会社の指導員やベテランと同乗してもらう
など、安全に運転できる準備をしてから本番に臨むことをおすすめします。制度の細かい条件は、警察庁や全日本トラック協会の区分表で最新の内容を確認してくださいね。(全日本トラック協会)
幼稚園バスや送迎バスの免許区分
幼稚園バスや介護施設・スクールの送迎バスは、「どんな車か」と「何の目的で走るか」の2つで必要な免許が変わります。
1つ目は車の大きさ・定員です。多くの幼稚園バスや送迎バスは、マイクロバス(定員20~29人程度)をベースにしているため、運転には中型免許以上が必要になるケースが多いです。
2つ目は二種免許が必要かどうかです。
- 園児や利用者を無料で送迎するだけ
- → 多くの場合、第一種免許(中型・大型など)で足りるとされています。
- お金(運賃)を受け取って一般のお客さんを運ぶ
- → 旅客運送事業にあたるため、中型二種・大型二種など二種免許が必要になります。
ただし、「どこまでが送迎サービスで、どこからが旅客運送事業か」は、運行の形や契約内容によって判断が変わることがあります。
- 幼稚園・学校・介護施設の運営法人
- 所轄の運輸支局や運輸局
- 免許センターや警察の相談窓口
など、必ず公式の窓口で確認してから運行ルールを決めることが大切です。あいまいなまま運転すると、思わぬ法令違反につながるおそれがあります。(国土交通省ターボサイト)
レンタカー利用時に確認したい点
旅行や部活の遠征で、「マイクロバスをレンタカーで借りて自分たちで運転したい」という場面もありますよね。そのときは、必ず次のポイントをチェックしてください。
① 必要な免許区分
多くのレンタカー会社では、マイクロバスの貸し出し条件として
- 8t限定なし中型免許以上(中型一種)
- もしくは大型免許
を求めています。普通・準中型・中型8t限定だけでは借りられないことがほとんどです。
② 免許の有効期間・運転歴
レンタカー会社によっては、
- 「免許取得後○年以上」
- 「21歳以上」
などの条件を設けている場合があります。公式サイトの利用条件を必ず読んでから予約しましょう。
③ 利用目的(有料送迎はしない)
レンタカーのマイクロバスで、運賃を取って一般の人を送迎することは基本的にNGです。旅客自動車運送事業に当たると、二種免許だけでなく事業許可も必要になります。(国土交通省)
また、「普通免許でマイクロバスOK」など、古いルールのまま説明している記事やブログも残っていますが、現在の制度では誤りとなるケースが多いと注意喚起されています。
不安なときは、
- レンタカー会社の窓口
- 免許センターや警察の相談窓口
で、「この免許でこの車を運転して大丈夫か」必ず確認してから契約・運転するようにしてくださいね。
「8t限定」を中型免許に変更するには?
限定解除講習の流れと必要な費用
「中型(8t限定)」を完全な中型免許にしたいときは、指定自動車教習所で講習+試験場で手続きという流れが一般的です。
基本のイメージは次のようになります。
- 指定自動車教習所に入所
- 所持免許:中型8t限定
- 技能教習のみ(学科は不要)
- 目安:MTで5時限前後/ATで9時限前後
- 教習所内の「技能審査」に合格
- 合格すると「技能審査合格証明書」が発行されます。
- 運転免許試験場で限定解除審査の申請
- 技能審査合格証明書+免許証+手数料を提出
- 当日の手続きで中型(限定なし)に書き換えられます(平日のみ)。(警視庁)
費用の目安は、教習所によって差がありますが、
- 教習所のパック料金:約9〜13万円前後(税込)
- 試験場での限定解除審査手数料:数千円程度(例:3,100円など)(警視庁)
が一つの目安です。正確な金額や日数は、必ず通う予定の教習所と、管轄の免許試験場(警察サイト)で最新情報を確認してくださいね。
一発試験と教習所のどちらを選ぶ?
8t限定解除には、
- 運転免許試験場での一発試験(直接審査)
- 教習所で技能教習→技能審査→試験場で手続き
という2つのルートがあります。
一発試験の特徴
- メリット
- 手数料は数千円程度と安い(例:受験料+試験車使用料で約3,000円前後)。
- デメリット
- 技能試験はS字・クランク・方向変換などを4tトラックで行う本格的な内容
- 合格率は決して高くなく、何度も受けると結果的にお金も時間もかかりやすい
教習所経由の特徴
- メリット
- プロの指導員からトラックの感覚をじっくり練習できる
- 多くの教習所では、セット料金に検定料や一部の追加教習が含まれている
- 技能審査に合格すれば、試験場では書き換え中心の手続きだけで済む
- デメリット
- 一発試験より費用は高め(10万円前後が目安)
仕事で中型トラックに長く乗る予定の方や、トラックの運転にあまり慣れていない方は、安全面・実務面から教習所ルートを選ぶ人が多い印象です。どちらにしても、YMYLの観点からも、無理をせず「安全に運転できる自信がつく方法」を選ぶことがいちばん大切ですね。
解除後に運転できる車の広がり
8t限定を外して通常の中型免許になると、運転できる車の「重さ」と「乗れる人数」の上限がグッと広がります。
代表的な違いをイメージでまとめると…
- 8t限定中型免許のイメージ
- 車両総重量:8トン未満まで
- 最大積載量:5トン未満まで
- 乗車定員:10人以下まで
→ 比較的小さめのトラックやワゴン向け
- 限定解除後の中型免許(限定なし)のイメージ
- 車両総重量:7.5トン以上11トン未満
- 最大積載量:4.5トン以上6.5トン未満
- 乗車定員:11〜29人未満
→ 4tクラスの中型トラックやマイクロバスもカバー
このため、仕事の場面では、
- 4tトラックでのルート配送・長距離輸送
- マイクロバスを使った送迎(条件により二種免許が必要な場合あり)
- 企業・工場・学校などの送迎車両のドライバー
といった仕事の選択肢が広がりやすくなります。
ただし、二種免許が必要になる旅客運送(有料で人を乗せる仕事)や、事業用トラックの運行には、別途法令上の条件があるため、
- 国土交通省・運輸局の案内
- 警察庁・各都道府県警(運転免許)
- 会社の安全担当・運行管理者
など、公式の窓口で最新のルールを必ず確認してから仕事に就くことが大切です。
中型免許についてよくある質問
何歳から中型免許を取れる?
中型免許を新しく取れるのは、満20歳以上で、かつ運転経歴が通算2年以上ある人と決められています。ここでいう運転経歴とは、普通免許・準中型免許・大型特殊免許などを持っていた期間の合計のことです(免停期間は除かれます)。
ポイントをまとめると、
- 年齢条件:20歳以上
- 運転経歴:2年以上(普通・準中型・大特いずれか)
- まず普通免許などを先に取って、そこからステップアップするイメージ
となります。
また、中型免許を取るときは、視力・聴力・色の見分けなどの適性検査もあります。基準は警視庁・各都道府県警の公式サイトに詳しく出ているので、受験前に一度チェックしておくと安心です。
なお、ここでお伝えしている条件は執筆時点の情報です。将来変更される可能性もあるため、最終的な条件は必ずお住まいの警察・免許センターや公式サイトで最新情報を確認してくださいね。
ペーパードライバーでも更新はできる?
「ずっと運転していないけれど、中型免許は更新できるのかな?」と不安になりますよね。結論からいうと、ペーパードライバーでも、条件を満たしていれば免許の更新はできます。
更新で大事なのは、
- 更新期限内に手続きに行くこと
- 視力などの適性検査に合格すること
- 高齢の方は、指定された講習(高齢者講習など)を受けること
などで、運転していた頻度そのものは問われません。
ただし、長く運転していない場合は、
- 自分でいきなり本番の道路に出るのではなく
- 教習所のペーパードライバー講習や
- 試験場コース開放での練習を活用する
と、安全面でも気持ちの面でもとても安心です。
免許制度がまた変わる可能性はある?
運転免許の制度は、これまでも何度か見直しが行われてきた分野です。たとえば、
- 2007年(平成19年):中型免許が新設される
- 2017年(平成29年):準中型免許が新設され、普通免許で運転できるトラックの範囲が変わる
など、事故防止や物流業界の状況に合わせて制度改正が行われてきました。
また、警察庁では、
- 貨物自動車に係る運転免許制度の在り方に関する有識者検討会
- 高齢運転者やAT・MT区分の見直しに関する検討
など、免許制度全体についての検討会を継続的に開いています。
こうした動きから、将来も安全対策や社会状況に応じて制度が見直される可能性は十分あると考えられます。ただし、いつ・どのように変わるかは、現時点では誰にも断言できません。
そのため、
- 警察庁・各都道府県警の公式サイトのお知らせ
- 免許更新時に届く案内ハガキやリーフレット
をこまめにチェックしておくと、制度変更にも落ち着いて対応しやすくなります。迷ったときは、免許センターや警察の相談窓口に問い合わせると安心ですよ。
記事のポイント
- 免許証 中型と書いてある表示は中型免許または中型8t限定を示す重要な情報である
- 運転できるかどうかは免許証だけでなく車検証の重さと乗車定員で判断する必要がある
- 中型免許と中型8t限定では運転できるトラックやバスの範囲が大きく異なる
- 普通・準中型・中型・大型の違いは車両総重量と最大積載量と乗車定員で整理できる
- マイクロバスや4tトラックは仕様次第で必要な免許区分が変わるため要確認である
- 過積載や定員オーバーは1kgや1人の超過でも違反となり重大事故リスクも高い
- 仕事では中型免許があると中型トラックドライバーや送迎ドライバーなど選択肢が広がる
- 履歴書では中型自動車第一種運転免許など正式名称と取得年月を記載することが重要である
- 有料で人を運ぶ場合は中型二種免許が必要になるケースがあり事前確認が欠かせない
- 8t限定解除をすると4tクラスのトラックやマイクロバスを運転できる範囲が広がる
- 中型免許は20歳以上かつ運転経歴2年以上など取得条件が定められている
- 免許制度は今後も安全対策の観点から見直される可能性があり公式情報のチェックが必要である

